2010年8月26日木曜日

コミュニケーション

 思えば、石野病院にリハビリ室が設けられた頃に就職し、北大路病院が開設されてから、もう早一年が過ぎたこの9年間。気がつけば知らず知らずのうちに中高年に・・・。変わらないのは大好物の焼酎を飲むこと。これが私の元気の源なのです。人生の折り返し地点の年齢に来て、元気で働けることが何よりもありがたいことだと思える年になりました。

 「リハビリステーション」には、沢山の入院・外来の患者様が来られます。身体の苦痛を抱えながらも一生懸命努力されている現場を見て、毎日のリハビリの奥深さを改めて痛感しています。
 朝一番「おはようございます!! 体調はいかがですか?」と最初の患者様への語りかけから始まり、コミュニケーションをはかりながらリハビリが進められています。
 「コミュニケーション」とは、言葉などを通して相手に伝える、いわゆる人と人との心の交流。日常、どの社会においてもコミュニケーションがはかられ、必要だと思います。また、コミュニケーションをはかることで社会は成り立つとも言えるのではないでしょうか?と言っても、そんなに容易ではなく、とてもエネルギーを使う事だから苦手だという人もいます。日常、話しかけていくことから慣らしていくことも一つの手かもしれませんね。
 リハビリもコミュニケーションをはかることで成り立っています。なぜなら、患者様の家族や職場あるいは、趣味など。患者様の性格やおかれている環境を知ることで、在宅復帰や社会への復帰についての可能性、目標を見極めて進めていくリハビリがされているからです。患者様の中でも様々な年齢の方がおられます。会話の中から教わることが多いです。人生の先輩です。
日々勉強、そして出会いに感謝です。少しでもリハビリは楽しいと感じていただけるように、愛と笑いを提供して参りたいと思います。

リハビリ助手T.E

2010年1月7日木曜日

平成22年 年頭のご挨拶

皆様あけましておめでとうございます。
 旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございました。
 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 脳神経リハビリ北大路病院は平成21年12月1日に無事開院一周年を迎えることができました。これもひとえに皆様方のご協力、ご指導の賜物と感謝いたしております。
 厚く御礼を申し上げます。


1. この1年間

平成20年12月1日に「石野病院」が新築移転し、「脳神経リハビリ北大路病院」となり、当初、「一般病棟56床1病棟(13対1)」・「脳血管リハビリⅡ」・「運動器リハビリⅡ」で開院しました。
 平成21年7月1日に、京都市左京区で5番目の回復期リハビリテーション病棟を取得し、2病棟体制となり、「回復期リハビリテーション病棟Ⅱ(36床)」と「一般病棟13対1(20床)」になりました。
 8月1日からは、「脳血管リハビリⅠ」を取得しました。
 9月1日からは、「運動器リハビリⅠ」を取得しました。
 10月1日からは、「一般病棟20床が10対1」となりました。

 以上のように、毎月のように人員確保とリハビリ実績を積み重ね、また皆様のご協力により、次々に上位のカテゴリーにステップアップしてきました。
 一方で、毎月のようにめまぐるしく病棟編成が変化したため、患者様やご家族、地域医療機関の皆様、職員の方々にもどのような患者様が入院できるのかわかりにくく、大変ご迷惑をお掛けしたことと存じます。
 この場を借りて、ご協力に感謝致しますとともに、お詫び申し上げます。


2. これからの1年

平成22年2月1日から「回復期リハビリテーション病棟Ⅰ(36床)」を取得する予定です。
「回復期リハビリテーション病棟Ⅰ」は「Ⅱ」に比べると人員基準や在宅復帰率の基準が厳しく、開院からわずか1年あまりでこれが取得できたことは、院長として大変な喜びであるとともに、皆様のお陰と深く感謝を致すところです。

ハード面、ソフト面共に激動の1年間でしたが、これからの1年間はこれらを使って、いかにリハビリテーション内容の充実をはかっていくかということで、当院にとって最大の正念場といえると思います。
新年と共に全職員気持ちも新たに、地域で認められる新生「脳神経リハビリ北大路病院」として再スタートをきりたいと思います。

リハビリテーションだけではなく、今年から行う外来アンケート等で患者様のご意見を伺い、頭痛外来・心療内科外来の充実を図ります。
また、院内コンサート・健康教室等をさらに充実させ、地域の皆様に開かれた病院にしたいと思います。
 ご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

 最後に皆様のご健勝、ご発展を祈念して、年頭のご挨拶とさせていただきます。



平成22年 元旦


医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
院長 岡田 達也

理事長推薦ジャズ名盤 第5回

『アンオーソドックス・ビヘイビアー 』 ブランドX

 第4回までに述べたように、70年代から本格的にジャズからロックへのアプローチが始まり、フュージョンというジャンルが確立していったわけですが、当然同時進行的にロックからジャズへのアプローチも進んでいきました。今回はロック畑、しかもイギリスのミュージシャンによるフュージョン作品をご紹介します。76年に発表されたブランドXのデビューアルバム『アンオーソドックス・ビヘイビアー 』です。メンバーはジョン・グッドサル (ギター)、パーシー・ジョーンズ(ベース)、ロビン・ラムリー(キーボード)、そして、第1回ロック名盤で紹介した、ジェネシスのリーダーであり、ドラマー兼ヴォーカリストのフィル・コリンズがドラムを担当しています。フィル・コリンズがあまりにも有名なので、フィルのソロ・プロジェクトと誤解されがちですが、ブランドXのデビュー前に、最後に呼ばれ参加したのがフィルのようです。
 とにかく、各メンバーが超絶技巧をこれでもかと競い合う、聞いた後でお腹いっぱい、カロリーいっぱいの作品です。特に、ポップバンドとしてのジェネシスや、ソロ歌手としてのフィル・コリンズしか知らない人にとっては、唖然とするような音数のドラミングを聴くことができ、驚愕していただけること間違いありません。
 しかし、ブランドXのサウンドを一番特徴付けているのは、紛れもなく、 パーシー・ジョーンズのベースです。彼のフレットレス・ベースによるハーモニクス奏法(弦を指板まで押さえつけず軽く触れる程度で弾き、倍音だけ鳴らす奏法 )は得体のしれないフレーズを創り出し、二度と忘れることのできない強烈な印象を植え付けてくれます。同様にフレットレス・ベースでハーモニクス奏法を得意とした一番有名なベーシストはジャコ・パストリアスですが、パーシー・ジョーンズはより実験的でより過激な音を聴かせてくれます。
 ブランドXはバンドというよりも、流動メンバーによるプロジェクトという傾向が強く、この後も、さまざまなメンバーにより、実験的な作品が作られていくことになりますが、すでに、76年という時代に、デビューアルバムにおいて、発展途上のフュージョンではなく完成形を創り出していることに大きな驚きと感動を覚えます。


医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
理事長 岡田 純

人に対する優しさとは

最近柄にもなく、私にとって人に対する優しさとは何か、などと考えることが多くなってきました。
 私は、人の気持ちを受け入れようとするような心が優しさだと思うのですが、これは簡単なことではありません。私たち一人一人にはそれぞれの立場があり、それぞれの利害があるからです。

 私が医療の世界に足を踏み入れた動機は単純なものです。困っている人を助けたい、弱い立場の方のお世話をしたいというようなものでした。ところが、実際に仕事を進めて行くには法令や基準などの『シバリ』があって思い通りには動けません。また自分自身が、患者様やサービス利用者の皆様の望みに全て応えられるほど強くもないし、有能でもないことをすぐに思い知らされます。

 弱い立場の方のお世話をしたいなどと思い上がったことを先ほど書きましたが、自分こそ弱くてちっぽけな存在です。それでも患者様や利用者の皆様の気持ちに寄り添う為の努力をする訳ですが、どうすれば良いか悩んでしまいます。そこで「優しさ」などという柄にも無いことを考える訳ですが、まずはしっかりとお話を聞くことが、優しさの第一歩だと、私は考えます。途中で横やりを入れないように心掛けて、最後までお話を聞くことです。
 実際には法令やスタッフのマンパワーの関係で、ご期待に添えないこともあるのですが、いま目の前にいらっしゃる方が、どのようなことを望み、どのような立場にいらっしゃるのか、理解しようとする気持ちは持ち続けたいと思います。そういう気持ちが無くなれば、医療も介護も成り立たなくなると思います。


医療法人一仁会
理事 谷畑 寿一  

2009年11月9日月曜日

 回復期リハビリについて 

最近リハビリテーションという言葉をよく耳にします。 rehabilitationという言葉は、re-という「再び」を意味する接頭語とラテン語のhabilitarre「能力」という言葉がくっついてできたものです。この言葉が医学的に使われるようになったのは、第一次世界大戦の頃の米国であり、戦争により多くの戦傷者が生まれ、それらに対し身体機能の回復や社会・職業への復帰のために理学療法や作業療法、職業訓練が行われるようになりリハビリテーションという言葉が使われるようになりました。
 リハビリにも「急性期リハビリ」「回復期リハビリ」「維持期リハビリ 」と大きく分類されます。そのなかで、今回のテ
ーマの「回復期リハビリ」についてお話します。「回復期リハビリ」とは、急性期に引き続いて機能障害の回復をはかるとともに、基本動作能力・歩行能力・家事動作・趣味活動・仕事・在宅復帰についての可能性・目標をみきわめ、進めていくリハビリのことです。
 対象となる方とは①脳卒中・脊髄損傷・頭部外傷・多発性硬化症などの発症後または手術後2ヶ月以内
            ②大腿骨・骨盤などの骨折後または手術後2ヶ月以内
            ③肺炎など治療時の安静により廃用性症候群を有しており手術後または発症後2ヶ月以内
            ④脊椎・骨盤・下肢の神経・筋または靱帯損傷後1カ月以内
   以外の方は原則回復期リハビリ病棟には入院できません。発症後・手術後からの日数制限がある事がポイ     
   ントです。回復の可能性の高い時期に十分なリハビリを行うように、という厚生労働省の考えです。
 
 京都市では現在10病院で回復期病棟が、開設されています。回復期病棟を開設するには、スタッフ数や廊下・部屋の広さなどの施設基準、過去の実績などが必要となります。リハビリの1日の単位数も増え、リハビリを集中的に受けることができます。
 当院での回復期リハビリ病棟をお話します。
当院では昨年12月に新築移転をしました。回復期設立を目的に設計したために、ゆったりとした病棟環境を備えることができました。病棟=生活の場とし、日常的にベッドサイドや廊下・食堂・浴室・トイレなど生活動作のリハビリを行っています。ご家族もいつでもリハビリを見学していただけるようになっており、実際に在宅に戻られた際の生活が想像しやすいと思われます。各専門のスタッフがチームを組み、患者様やご家族とともに目標(家庭復帰・職業復帰)に向かって取り組んでいます。また、患者様一人一人に入院時や毎月のカンファレンス、退院前カンファレンス、必要に応じて家屋評価も行っております。




リハビリテーションセンター
 リハビリテーションセンターではPT8人、OT6人、ST2人が勤務しております。比較的多いスタッフ数で患者様のリハビリを可能な限り手厚く行っております。病棟での訓練に加え、広く明るいリハビリテーションセンターでの訓練も積極的に行っています。最新機器での歩行訓練や、患者様がご自宅に帰られるために必要な生活動作訓練も行える環境になっています。


理学療法士 M.T

笑いと癒し

笑いは本来私たちが備えているのもです
 「笑う門には福来る」
 という言葉がありますが、笑いは生活に
おいて幸せをもたらすためにとても大切な
 
でもストレスの多い現代、一日笑うことがなかった」ということはないでしょうか
実際悩み等かかえてる場合はなかなか心の底から笑えないことも多いと思います。

「笑う」という行為には
いろいろな効果があります
 
笑いと言ってもクスクス笑いからガハハと大笑いまでその種類はさまざまですが
心の底からの笑いでなくても「笑う」という行為は健康効果があるということです。

 笑いにより人の免疫が向上したという結果もでているそうです
 
笑いには心のわだかまりや悩みなどをすっきりとさせて、心にゆとりを持つ力があります。
 
笑顔でいることは泣き顔怒り顔でいるよりもずっと気分がよく、また相手にも好印象をもたてるはずです。
 
笑っている時には交感神経と副交感神経がバランスよく働いていて自律神経の状態も安定しているので、笑いは心と身体の緊張をときます。
 笑いは、人が心も身体も元気に生きる為に不可欠なものなのです。
 
「こんな時に笑うなんてできない」
 そんな時にこそ笑ってみませんか 


事務部  T.T

理事長推薦ジャズ名盤 第4回

『ドミノ・セオリー』 ウェザー・リポート

 フュージョン全盛時代の70年代から80年代にかけて、人気実力No.1のジャズ・フュージョン・グループが、ウェザー・リポートです。オーストリア出身のキーボード奏者ジョー・ザヴィヌルとサックスのウェイン・ショーターを中心とするバンドですが、年を経るごとにザヴィヌルがイニシアティブをとってゆくことになります。同時代、チック・コリアやハービー・ハンコックといった多くのジャズ・ピアノの巨匠たちもフュージョンやロックへアプローチし、シンセサイザーを積極的に用いていきますが、彼らのフレーズがピアノで奏でてもかっこよく美しいメロディーが多いのに対し、ザヴィヌルの摩訶不思議なフレーズはシンセサイザーでなければ意味を成しません。最もシンセサイザーを研究し、使いこなしたジャズ・プレイヤーの一人であったと考えます。
 一般にウェザー・リポートの全盛期は『ヘビー・ウェザー』や『8:30』を発表した、天才ベーシスト、ジャコ・パストリアス在籍時代と言われています。しかし、私はあえてパストリアス脱退後、84年に発表された『ドミノ・セオリー』を推薦いたします。
 理由はザヴィヌルのプレイもさることながら、オマー・ハキムの凄まじいまでのドラミングを聴いていただきたいからです。オマー・ハキムの魅力は超絶技巧だけでなく、その独特のグルーヴ感にあります。「グルーヴ」という言葉の正確な定義はありませんが、リズムの「ノリ」とか「うねり」と表現すれば解りやすいでしょうか?しかもそのグルーヴ感を曲ごとに自由自在に変化適応させていく柔軟性を持っているのです。彼の活躍の場はジャズに留まらず、デヴィッド・ボウイ、スティング等のロックやマドンナ、セリーヌ・ディオン等のポップス、さらにはSMAPといった歌謡曲にまで及んでいます。しかも彼はそれぞれのジャンルで超一流のプレイを披露しています。私は、オマー・ハキムが現時点において世界一、いや宇宙一のドラマーであると考えています。
 どうぞ、ザヴィヌルのシュールなシンセサイザーと、オマー・ハキムの宇宙一のドラムを堪能してください。


医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
理事長 岡田 純