2011年4月25日月曜日

東北地方太平洋沖地震について

この程発生した地震で被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、
犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
被災地の早期の復旧をお祈り申し上げます。

医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
理事長 岡田 純
院長 岡田 達也
一仁会 職員一同

地域連携室だより

 未曾有の大震災・津波・見えない放射能汚染の恐怖と連日私たちの周りでは、これまでに体験したことのない事実が進行しています。
被災された方々に、明日への希望が示されますように祈ることしか出来ない日々であります。

 そんな中でも私たちは、病院として日常の営みを続けなくてはなりません。
当院はリハビリテーションを医療活動の中心に据えている病院です。
多くは「リハビリをしてなんとか在宅に戻って生活を続けたい」と希望する患者さんを受け入れていますが、在宅に戻るには予想以上に多くの困難があることも事実です。

 当院の相談室は三月から専従相談員を二名体制にして、そんな患者さん・ご家族の方への支援をより充実したものにしていきたいと考えています。
患者さんやご家族と一緒になって、地道に一つ一つの課題を考え乗り越えていく、患者さんにとってよりよい生活はどのようなものか、それを形にしていく、そんな取り組みができればと願っております。

 病院の相談室は、月曜日から土曜日(時間は午前九時から午後五時、土曜日は十二時まで)オープンしています。
入院の方だけでなく外来や在宅の方のご相談も承っておりますので、医療や介護について困っていることや、聞きたい事がございましたらお気軽に訪ねていただければと思います。

自然について今、思うこと

去年の夏は暑かった。
日本全国で猛暑のために熱中症で倒れたというニュースが連日テレビや新聞で報道されていたのはまだ記憶に新しい。
最近は地球温暖化問題から「自然を守ろう」や「地球を守ろう」のスローガンをよく耳にすることがあるが、何か違和感のようなものを感じていた。

小学生の頃に「一人で川に遊びに行くな」「山に遊びに行くな」と両親に注意されていた記憶がある。
それでも内緒で川に遊びに行って靴を流されたり、夕方まで遊び暗い山道を怯えながら帰ったりと楽しかった反面、苦い思いもした。
私にとって山や川は楽しいだけの遊び場でなく、同時に怖い場所としてその後も記憶の片隅に今も残っている。

人の生活や文化は河の周囲から生まれたというように人は自然の恩恵を受けてきた。
同時にまた、肥沃な土地に生まれ変わるために濁流となって周囲の田畑や村を流しさってしまうという自然の圧倒的な力を経験してきた。

本来、自然の持つ「想定外」の力をみた時、「自然を守ろう」とする呼びかけは何か的外れに感じずにはいられない。

今回、東北・関東大震災に遭われた方々に深くお悔やみと今後の復興をこの紙面を借りて申し上げたいと思います。

理学療法士 T.T

第1回 『人形館の殺人』 綾行人

今回より、新しい連載『左京ミステリー散歩』を開始いたします。

 ご存知のように、左京区には下鴨神社や銀閣寺といった世界遺産をはじめ、観光名所が数多く存在し、多くのガイドブックで紹介されています。
ただ、私たち地元に住んでいる人間は、普段観光名所を訪れることはあまりなく、身近な場所を散策することの方が多いのではないでしょうか。

 一方、私が好きなミステリー小説でも、京都、特に左京区が舞台に選ばれる事が多いのですが、観光名所だけでなく、意外なほどごく身近な場所も登場します。
このシリーズは、そういった身近な場所が登場するミステリー小説をご紹介し、左京区のちょっと違った魅力を再発見していただこうという緩い企画です。
ミステリー小説の性質上、詳しい内容については出来るだけ触れません。
もちろん、解説や評論といったものではありません。気楽にお付き合いください。
小説に登場する実際の場所を撮った写真も掲載し、お勧めスポットとしてご紹介いたしますので、あわせてお楽しみください。

 第1回目は綾辻行人の『人形館の殺人』をご紹介します。
北白川にあるという「人形館」という建物で起こる殺人事件を描いた本格ミステリー小説です。
今回のお勧めスポットは疎水と御影通の交差点です。
ヒロインが犯人に襲われるクライマックスシーンの舞台です。
北大路病院のある一乗寺から疎水に沿って南に下がっていくと、やがて御影通を越え京大農学部グラウンドの横にさしかかります。
それまで見通しのよかった疎水道も、多くの木々が繁り、薄暗く、少し寂しい雰囲気となります。
ミステリーのクライマックスシーンにはうってつけの場所といえるでしょう。
でも、不思議と落ち着いた気持ちになり、癒されます。私は大好きな場所です。
作者の綾辻行人は京都大学教育学部出身です。
学生時代にこのあたりを散策してお気に入りの場所となり、その後自分の小説の舞台に選んだのかもしれませんね。

 綾辻行人は1987年に『十角館の殺人』でデビューしました。
当時、松本清張に代表される「社会派ミステリー」が隆盛を極めていましたが、「本格ミステリー」の復権を目指して発表されたこの作品はミステリー小説界に大きな衝撃を与えます。
以来、綾辻の後に続く若手の本格ミステリー作家が次々に登場し、「新本格ミステリー」というジャンルが確立されました。

 『十角館の殺人』から始まる『館シリーズ』は大人気シリーズとなり、現在まで8作品が発表されていますが、『人形館の殺人』は第4作目にあたります。
『人形館の殺人』はそれ自体も大変優れた作品ですが、出来れば『館シリーズ』を最初から発表順にお読みください。
その魅力を何倍にも味わうことが出来るでしょう。

(理事長 岡田 純)

365日リハビリテーション スタートします

脳神経リハビリ北大路病院が石野病院から移転し、3年目の春を迎えました。
当院が回復期リハビリテーション病院として回復期リハビリテーション病棟入院料Ⅰを取得し、早1年が経過し2年目の春となります。

今年度より当院は新たにリハビリテーション専門医を迎えることとなりました。
また、リハビリスタッフは総勢理学療法士13名、作業療法士8名、言語療法士4名となります。
リハビリを実施させていただく上でより充実したリハビリができるよう、リハビリ病院としてもますます飛躍の年になればと、思います。

当院も入院患者へのリハビリテーションを365日行える体制が整い、この4月よりスタートいたします。
つきましては365日リハビリテーションについて、簡単ではありますが紹介をさせていただきます。

365日リハビリとは、より充実したリハビリを提供する観点から、土日を含めいつでも集中的にリハビリを提供できる病棟の体制をいいます。
日曜日や祝日もリハビリを実施することで、継続したリハビリ提供ができることが期待されます。


 今年度の新たな取り組みとして、当院の回復期リハビリテーション病棟が365日リハビリの実施に向けて新たな1歩を歩むことになります。
初期段階としては、日曜・祝日は少人数のスタッフによりスタートすることとなりますが、患者さん及びご家族の満足いただける体制を築くために、日々成長できるよう努力してまいりますのでよろしくお願いします。

脳神経リハビリ北大路病院
リハビリテーション科 副主任
深見 智子