2005年12月21日水曜日

風邪をひいてしまったときの食事のお話


★脱水症状に気をつけましょう

 身体がだるく、食欲もなく、食べものが喉を通らないときでも、脱水症状には充分気をつけて水分を摂りましょう。お茶や水も良いのですが、より身体に吸収されやすい、電解質を含んだスポーツドリンクなどがおすすめです。
 脱水症状については子供や高齢者の方には充分注意してあげてください。

★食欲がないときは・・・

 食欲がないとき、お腹をこわしているときに無理に食べようとするのはあまり良くはありません。水分は摂りながら安静にしていて、食欲が出だしたら、まず食べやすく消化が良いもの(プリン、ヨーグルト、ゼリーなど)から食べ始めると良いと思います。

★食欲が出てきたら・・・

 免疫力をアップさせるために、ビタミンCやたんぱく質を摂りましょう。ビタミンCをフルーツで摂取する場合は生で食べるのも良いのですが、消化の良いジュースのほうがおすすめです。(だからといってジュースを大量に飲んでお腹をこわしたりしないように。)みかんなど柑橘類やキウイにはビタミンCが多く含まれます。野菜ではジャガイモやブロッコリなどがおすすめです。特にジャガイモのビタミンCは熱にも強く、火を通した料理での摂取に最適です。
 たんぱく質も、風邪で弱った身体の免疫力を上げてくれるはたらきがあります。消化のことを考えると、白身魚・卵・とうふ等が良いと思います。クリームシチュー、うどんの入った鍋や茶碗蒸し、生姜の入った肉団子スープなど、具だくさんの汁物をおすすめします。

★身体が冷えているときは・・・

 身体を温める作用のあるものを摂りましょう。昔から良いと言われている生姜湯は、身体を温め、更に水分も摂取できるのでおすすめです。食欲がないときは生姜湯だけでも飲むようにしましょう。

管理栄養士 O .A
2005年 冬号

お雑煮について

 冬至冬中冬始と言いますが、寒さもこれからがいよいよ本番。二〇〇六年を目前に、大掃除やお正月の準備をしている方も多いのではないでしょうか?
 近年、元日より営業されているお店も多く、《お正月》のイメージも変わってきたな、と感じます。しかしそんな中、実家に帰り、お節料理や雑煮を食べると「お正月が来たんだなぁ」と実感します。そこで今回、《雑煮》についての豆知識をご紹介したいと思います。

〈 雑煮とは 〉

 「もち」を主役にして、野菜や魚介、肉と一緒に煮た汁物。地方によって、それぞれもちの形や調理法、汁の仕立て方、具の取り合わせに特徴がある。

 ◎関東風・・・しょうゆ味のすまし汁仕立てで、
        焼いた角もちを入れるのが特徴。

 ◎関西風・・・白みそ仕立てで、丸もちを入れるのが特徴。

〈 由来 〉

 雑煮は、お節料理よりも前からお正月に食べる習慣があったらしい。新年を迎える時期はとても寒く「保臓」といって、お腹を温める食べ物が必要だった。そこで地方の野菜などを使い、温かい汁物を作り、「ハレの日」の食べ物であるもちを入れて祝うようになったのが雑煮の始まりとか・・・。

〈 丸もちが「丸い形」をしているのは? 〉

かつて日本人にとって月の満ち欠けは、暦をはじめとして農業、漁業の標ともなる、生活に密着したものだった。また月の丸い形は、物事が何でも上手くいく「永遠の形」でもあり、満月に似せてもちを作り、お供えするようになったと言われている。

〈 お正月にもちを食べるのは? 〉

 その昔、もちはうるち米よりも上等のものとされ、普段の日は食卓にのぼる機会が少ない食べ物だった。節句などで神様にお供えする時や、お正月のように年神様にお供えする時だけ食べられるものだった。

〈 雑煮 元気メモ 〉

 もちは主食である米を原料にした炭水化物、野菜類の大根・人参・小松菜・生椎茸は食物繊維やビタミン・ミネラルなど、鶏肉やかまぼこはたんぱく質、と栄養素をバランスよく含んだ料理。ビタミンCなどを補う為には、デザートにみかんなどのフレッシュフルーツを!!

看護師 A .U
2005年 冬号

2005年10月27日木曜日

プライマリ・ケア

 最近「プライマリ・ケア」という言葉がよく聞かれるようになりました。今年の5月に日本プライマリ・ケア学会学術集会が京都国際会館で開催され、私が会頭を務めましたが、この会も第28回を数え、わが国でもプライマリ・ケアという言葉や概念が定着してきたように思われます。
 米国医学会の定義を借りますと、「プライマリ・ケアとは包括的な、地域の第一線で提供されるヘルスケア・サービスである。そのヘルスケア・サービスは、継続的で、地域や家族を視野に入れたものでなければならない」とされています。すなわち、患者さんの現時点の病悩だけではなく、過去から将来へ続く長い期間にわたり、本人はもとより、家族や周囲の関係者や生活環境までも視野に入れた医療サービスを意味しております。

 わが国では、個々の臓器や特定の疾患を対象とする医療は世界のトップレベルにあります。それに比べて患者さんをひとりの人間として総合的に診療することが、疎んじられているようです。この点を反省して、ここ数年の医療教育では、プライマリ・ケアの修練を重視したカリキュラムが組まれるようになりました。

 石野病院では、脳神経、腹部・消化器、呼吸器、リハビリなどの各領域の専門医がそれぞれの領域の診療に当たると共に、一人の患者さんについての医療情報を蜜に交換し合って、プライマリ・ケアに沿った診療を実践しています。石野病院のような小規模の病院では、常勤の医師が継続的に診療しているので、患者さんとスタッフとの人間関係も、スタッフ相互間の連携も密でありますから、専門的医療と共にプライマリ・ケア的な機能も兼ね備えていると自負しております。

医療法人一仁会会長
石野病院顧問 岡田 慶夫
2005年 秋号

京都歴11年

 10月に入り朝夕少しずつ冷え込んできました。やっと秋を感じはじめている今日この頃。寒暖の差が大きくなると京都の山々も色づきはじめ、観光シーズンの到来です。

 京都に移り住み11年。せっかく京都にいるのなら・・・そう思い、いろいろな場所を見て廻っている。しかし、京都は見所満載。11年経っても見尽くせないのが現実である。主な寺社仏閣は一通り見たつもりだが、やはり一番感動を覚えたのは金閣寺である。私が金閣寺を初めて訪れたその日は、3月に入っても春まだ遠く季節外れの雪が降り積もっていた。そしていきなり目の前に現れた金閣寺は、金箔一面にまばゆく、雪に覆われていたのである。それまで、テレビや教科書の中で見た事はあったが、実際に見る金閣寺に、そして雪化粧に感動し見入っていたのを覚えている。

 そうやって観光し、京都歴11年となった今、観光シーズンが来る度に渋滞に巻き込まれ、進まぬ車にイラ立ちを感じる今日。そんなときにフッと思う。「私も少しは京都人になったのかしら・・・。京都検定でも受けてみようかな・・・。」

看護師 I .T
2005年 秋号