2013年4月1日月曜日

休日

やっと暖かい日が訪れてきましたね。桜の季節がくると思うと気持ちがパッと明るくなるものです。とはいえ京都の冬は、底冷えで本当に辛いものですね。気分もめいってくるというか…冬は特に外に出るのが億劫になってしまい、休みの日でも室内で過ごす事がめっきり増えた気がします。
 最近の休日のおきまりコースは、映画館→カラオケです。映画が好きではありますが、特に私は映画館の空間が好きで、ポップコーンと飲み物を買って、時には3Dメガネをして、大きな画面にくぎづけになります。内容が好きなものであれば、本当に集中します。時には寝てしまう事もありますが。
 平日は、席が空いている事が多いのでポップコーンを食べるバリバリとした音も迷惑にならないかと…(笑)
 映画館のポイントが貯まっていくのもちょっとした喜びで、6本観ると1本を無料で見ることができるんです。昨年は、2本も無料で…得した気分になりました。
 映画館の後は、カラオケで大声出して気分転換です。歌は上手ではないので相手に迷惑ですが、それに懐かしい歌ばかりで、まぁそれぞれが気持ちよければよいかと思っております。
 とこんな風に最近は休日を過ごし、自分をリセットしている気がします。
 みなさんも、休日は色々とお過ごしで、気分転換の仕方も違うと思いますが、どんな過ごし方でも、それぞれ自分にとって、よい時間になるといいですね。
 私としては、春は、桜の力を借りて外に出て気分転換したいものです。

看護師 N.S

慢性胃炎の患者さんに対するピロリ菌除菌療法が保険適応となりました


ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリといいますが、ここでは簡単にピロリ菌とします。胃の内部はとても強い酸性になっているので、昔は無菌状態と考えられていました。ところが1983年にピロリ菌が発見され、その後いろいろな病気の原因になっていることがわかってきました。胃炎や胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらに恐ろしいことに、胃の悪性リンパ腫や胃癌といった悪性疾患との因果関係も証明されています。ピロリ菌を持っている人は持っていない人より、胃癌の発生率が6~22倍高いというデータもあります。

 感染経路についてははっきりと解っていませんが、経口感染と考えられています。感染率は発展途上国では7~8割、日本では5割(なんと50歳以上では8割)ぐらいといわれており、衛生状態と関係があると言われています。

 古くから胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍の患者さんで、ピロリ菌がいた場合除菌をした方が治りも早く、再発の防止にもなると解っていたので、胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍の患者さんに対する除菌治療は2000年に保険適応となりました。さらに2010年にはMALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者さんに対しても保険適応が拡大されました。
 
 ピロリ菌の除菌方法は簡単で、3種類の薬を1週間飲んでもらうだけです。治療中の副作用としては、下痢、アレルギー、肝機能障害、味覚異常などがあります。また、除菌後の副作用として逆流性食道炎や十二指腸びらんが起こることもあります。

 除菌治療をした場合、その約3カ月後に除菌できたかどうか判定をします。除菌の成功率は7~8割といわれています。除菌に成功すれば、現在の日本の衛生状態では再発の心配はほとんどないと言われています。除菌に失敗した場合は、もう一度保険治療で薬の組み合わせを変えて再除菌することができます。この場合も除菌の成功率は7~8割といわれています。

  一方、かなり以前から、慢性胃炎も原因のほとんどがピロリ菌の感染であると考えられてきました。しかし、慢性胃炎に対してのピロリ菌除菌は保険適応になっていませんでした。ピロリ菌を除菌して、慢性胃炎が改善するというデータが少なかったためです。しかし、ピロリ菌を除菌して、慢性胃炎が改善することが証明されたため、ようやく、2013年2月にピロリ菌に起因した慢性胃炎の患者さんに対してもピロリ菌除菌療法が保険適応となったのです。ピロリ菌陽性の慢性胃炎の方は、ピロリ菌陰性の方に比べて胃癌のリスクが高くなると考えられていますので、この保険適応は胃癌発生率の低下にもつながると期待されています。

 胃の調子の悪い方は是非内視鏡検査(胃カメラ)検査を受けていただき、ピロリ菌陽性の慢性胃炎であると診断された場合は、除菌治療を受けていただくようお勧めいたします。

理事長 消化器内視鏡専門医  岡田 純