2010年1月7日木曜日

平成22年 年頭のご挨拶

皆様あけましておめでとうございます。
 旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございました。
 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 脳神経リハビリ北大路病院は平成21年12月1日に無事開院一周年を迎えることができました。これもひとえに皆様方のご協力、ご指導の賜物と感謝いたしております。
 厚く御礼を申し上げます。


1. この1年間

平成20年12月1日に「石野病院」が新築移転し、「脳神経リハビリ北大路病院」となり、当初、「一般病棟56床1病棟(13対1)」・「脳血管リハビリⅡ」・「運動器リハビリⅡ」で開院しました。
 平成21年7月1日に、京都市左京区で5番目の回復期リハビリテーション病棟を取得し、2病棟体制となり、「回復期リハビリテーション病棟Ⅱ(36床)」と「一般病棟13対1(20床)」になりました。
 8月1日からは、「脳血管リハビリⅠ」を取得しました。
 9月1日からは、「運動器リハビリⅠ」を取得しました。
 10月1日からは、「一般病棟20床が10対1」となりました。

 以上のように、毎月のように人員確保とリハビリ実績を積み重ね、また皆様のご協力により、次々に上位のカテゴリーにステップアップしてきました。
 一方で、毎月のようにめまぐるしく病棟編成が変化したため、患者様やご家族、地域医療機関の皆様、職員の方々にもどのような患者様が入院できるのかわかりにくく、大変ご迷惑をお掛けしたことと存じます。
 この場を借りて、ご協力に感謝致しますとともに、お詫び申し上げます。


2. これからの1年

平成22年2月1日から「回復期リハビリテーション病棟Ⅰ(36床)」を取得する予定です。
「回復期リハビリテーション病棟Ⅰ」は「Ⅱ」に比べると人員基準や在宅復帰率の基準が厳しく、開院からわずか1年あまりでこれが取得できたことは、院長として大変な喜びであるとともに、皆様のお陰と深く感謝を致すところです。

ハード面、ソフト面共に激動の1年間でしたが、これからの1年間はこれらを使って、いかにリハビリテーション内容の充実をはかっていくかということで、当院にとって最大の正念場といえると思います。
新年と共に全職員気持ちも新たに、地域で認められる新生「脳神経リハビリ北大路病院」として再スタートをきりたいと思います。

リハビリテーションだけではなく、今年から行う外来アンケート等で患者様のご意見を伺い、頭痛外来・心療内科外来の充実を図ります。
また、院内コンサート・健康教室等をさらに充実させ、地域の皆様に開かれた病院にしたいと思います。
 ご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

 最後に皆様のご健勝、ご発展を祈念して、年頭のご挨拶とさせていただきます。



平成22年 元旦


医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
院長 岡田 達也

理事長推薦ジャズ名盤 第5回

『アンオーソドックス・ビヘイビアー 』 ブランドX

 第4回までに述べたように、70年代から本格的にジャズからロックへのアプローチが始まり、フュージョンというジャンルが確立していったわけですが、当然同時進行的にロックからジャズへのアプローチも進んでいきました。今回はロック畑、しかもイギリスのミュージシャンによるフュージョン作品をご紹介します。76年に発表されたブランドXのデビューアルバム『アンオーソドックス・ビヘイビアー 』です。メンバーはジョン・グッドサル (ギター)、パーシー・ジョーンズ(ベース)、ロビン・ラムリー(キーボード)、そして、第1回ロック名盤で紹介した、ジェネシスのリーダーであり、ドラマー兼ヴォーカリストのフィル・コリンズがドラムを担当しています。フィル・コリンズがあまりにも有名なので、フィルのソロ・プロジェクトと誤解されがちですが、ブランドXのデビュー前に、最後に呼ばれ参加したのがフィルのようです。
 とにかく、各メンバーが超絶技巧をこれでもかと競い合う、聞いた後でお腹いっぱい、カロリーいっぱいの作品です。特に、ポップバンドとしてのジェネシスや、ソロ歌手としてのフィル・コリンズしか知らない人にとっては、唖然とするような音数のドラミングを聴くことができ、驚愕していただけること間違いありません。
 しかし、ブランドXのサウンドを一番特徴付けているのは、紛れもなく、 パーシー・ジョーンズのベースです。彼のフレットレス・ベースによるハーモニクス奏法(弦を指板まで押さえつけず軽く触れる程度で弾き、倍音だけ鳴らす奏法 )は得体のしれないフレーズを創り出し、二度と忘れることのできない強烈な印象を植え付けてくれます。同様にフレットレス・ベースでハーモニクス奏法を得意とした一番有名なベーシストはジャコ・パストリアスですが、パーシー・ジョーンズはより実験的でより過激な音を聴かせてくれます。
 ブランドXはバンドというよりも、流動メンバーによるプロジェクトという傾向が強く、この後も、さまざまなメンバーにより、実験的な作品が作られていくことになりますが、すでに、76年という時代に、デビューアルバムにおいて、発展途上のフュージョンではなく完成形を創り出していることに大きな驚きと感動を覚えます。


医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
理事長 岡田 純

人に対する優しさとは

最近柄にもなく、私にとって人に対する優しさとは何か、などと考えることが多くなってきました。
 私は、人の気持ちを受け入れようとするような心が優しさだと思うのですが、これは簡単なことではありません。私たち一人一人にはそれぞれの立場があり、それぞれの利害があるからです。

 私が医療の世界に足を踏み入れた動機は単純なものです。困っている人を助けたい、弱い立場の方のお世話をしたいというようなものでした。ところが、実際に仕事を進めて行くには法令や基準などの『シバリ』があって思い通りには動けません。また自分自身が、患者様やサービス利用者の皆様の望みに全て応えられるほど強くもないし、有能でもないことをすぐに思い知らされます。

 弱い立場の方のお世話をしたいなどと思い上がったことを先ほど書きましたが、自分こそ弱くてちっぽけな存在です。それでも患者様や利用者の皆様の気持ちに寄り添う為の努力をする訳ですが、どうすれば良いか悩んでしまいます。そこで「優しさ」などという柄にも無いことを考える訳ですが、まずはしっかりとお話を聞くことが、優しさの第一歩だと、私は考えます。途中で横やりを入れないように心掛けて、最後までお話を聞くことです。
 実際には法令やスタッフのマンパワーの関係で、ご期待に添えないこともあるのですが、いま目の前にいらっしゃる方が、どのようなことを望み、どのような立場にいらっしゃるのか、理解しようとする気持ちは持ち続けたいと思います。そういう気持ちが無くなれば、医療も介護も成り立たなくなると思います。


医療法人一仁会
理事 谷畑 寿一