2014年1月1日水曜日

認知症の予防には軽い運動が効果的

 認知症は、病気やケガなどのために脳の細胞が壊れて、これまで身につけてきた社会生活を営む能力を失ってしまった状態をいいます。昔はもの忘れが重視されていたのですが、最近ではもの忘れがそれほどなくても、その他の高次脳機能障害が重度で、生活に著しい支障があれば、認知症と診断されるようになりました。因みに高次脳機能とは、言葉を話したり、聞いて理解したり、文字を書いたり読んだりする能力やテレビのリモコンや電子レンジなど、いろいろな道具を使用する能力、日常生活の段取りを立てたり、それを成し遂げる能力、人と協調する能力などがそれに当たります。

 2012年時点で、65歳以上の認知症の人は462万人に達しました。京都府の人口が226万人ですから、いかに多いかがわかります。認知症の発症率は65歳から徐々に増えていき、5歳刻みで、倍々になっていきます。85歳以上の有病率は女性で30%、男性で22%程度です。このことからも認知症の最大のリスク要因は加齢ということがわかりますが、残念ながらこれは避けては通れません。

 その他のリスク要因に糖尿病、高血圧、脂質異常症があります。ですから生活習慣病の予防と治療が認知症予防の鍵になります。また、うつ病も認知症のリスク要因と言われています。認知症の予防や糖尿病やうつ病の治療に、軽い有酸素運動は効果があります。京都には四季を堪能できる散策コースが沢山あります。ウォーキングをたのしみましょう。

コメディカル H.Y

ステップアップ北大路病院

皆様新年あけましておめでとうございます。

 脳神経リハビリ北大路病院(以下、北大路病院)が2008年12月1日に開院してから丸5年が経過しました。昨年12月1日には関係者の皆様、職員の皆様方多数のご出席をいただき、5周年記念式典を盛大に催すことができました。改めて感謝をいたします。

 2014年は新たな5年間のスタートの年です。この5年間のキーワードは「神経難病」「ロボットスーツ」「若い力」です。

 筋萎縮性側索硬化症、多系統委縮症などのいわゆる神経難病は有効な薬剤や治療法がほとんどなく、医療の中でも最も日の当たらない場所と言われています。リハビリテーション(以下、リハビリ)や心のケアもされないまま進行していき、不安なまま在宅医療を受けておられる方も多数おられます。幸い当院は回復期リハビリ病棟以外に障害者病棟を持っており、これと訪問リハビリを組み合わせることで、地域の神経難病医療に貢献していけると考えます。また、4月からは神経内科の常勤医を迎え、心療内科医と共に心と体の両面から有効なリハビリを提供できると確信しています。

 昨年11月には、京都大学医学部脳神経外科とのロボットスーツHALを使った脳卒中リハビリの共同研究のキックオフミーティングが開かれました。2014年度にはHALを用いたリハビリを脳卒中だけではなく神経難病のリハビリにも応用していきたいと考えています。共同研究では患者さんの精神面に与えるメリットも評価することになっており、心のケアを重視してきた北大路病院にはうってつけの共同研究と考えます。

 昨年11月から12月には合計3回の療法士採用試験を行い、4名の経験者と最大12名の新人療法士を確保することができました。これはこの5年間の皆様のご努力が実って地域や学生の方々に「脳神経リハビリ北大路病院」が「心と体の両面からのリハビリ」をする病院として認められたことによるものに他なりません。若い力を得て更なるステップアップをしていけるものと考え、私も身が引き締まる思いです。

 最後に2014年の皆様のご健康とご活躍、北大路病院のさらなる発展を祈念して、年頭のご挨拶といたします。

脳神経リハビリ北大路病院 
院長 岡田 達也