2010年8月26日木曜日

心療内科開設1周年を迎えて

心療内科誕生から感謝の1年
 
私が日本の心療内科発祥の地である福岡をあとにして郷里滋賀に帰り、早や8年の月日が流れようとしています。平成9年に九州大学を離れ福岡徳洲会病院に心療内科を立ち上げて5年、一大決心して滋賀に戻った当時を懐かしく思い出します。
 平成14年に滋賀県にある彦根市立病院に滋賀県初の心療内科を立ち上げて8年、振り返ってみると本当にアッという間の時間でした。そして脳神経リハビリ北大路病院院長との不思議な再会が縁となり脳神経リハビリ北大路病院に心療内科を立ち上げて1年、徐々に患者さんの数も増え、この地域での心療内科として認められつつあるのを実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。

  「リハビリ専門病院の心療内科としての役割とは?」

 回復期リハビリ病棟は脳卒中などで機能喪失した患者さんの「再生」のために病棟です。突然の機能喪失のショックから徐々に立ち直り、懸命にリハビリに打ち込む患者さんへnの心身両面からの援助は、長年心療内科臨床に携わってきた私にとって、とてもやりがいのある仕事になっています。その中でも患者さんの中にある治療意欲を最大限に引き出すことが、その後の機能回復にいかに重要であるかを日々痛感しています。
「機能回復に向けてこころとからだ…両面からアプローチ」が当院のキャッチフレーズです。心療内科専門医として臨床心理士・医療ソーシャルワーカーとともに毎朝入院患者さん全員を回診して、患者さんのメンタルサポートを実践するとともに、脳卒中の原因となる糖尿病・高血圧・脂質異常症に対しては認定内科医・糖尿病専門医として適切な身体管理を行うことで再発防止に努めています。
同時に心療内科・カウンセリング外来を開設し、心身症から不安、うつ、パニック障害、適応障害といった患者さんの診療も積極的に行っています。
これからも北大路病院を「心身一如」の考え方のもと心身医学を実践する日本でも先駆的なリハビリ病院として高めていきたいと思いますので、皆様のあたたかいご支援をよろしくお願い申し上げます。

医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
副院長 椋田 稔朗