2011年1月8日土曜日

初志貫徹に向かって

高校3年生の時、当時私の所属していた大谷高校野球部は強力打線を武器に春の京都・近畿大会準優勝を果たした。その近畿大会で同じく出場を果たしていたPL学園高校のOB清水哲さんをお見かけしたことが、私が福祉に関わりたいと思ったきっかけである。その時は試合中に頚椎骨折で首から下が麻痺状態となった人だという風にしか感じていなかったが、高校野球を引退し、3年間を振り返ってみると、なぜかそのエピソードが一番に思いだされたのである。その瞬間図書館に走り無我夢中で清水さんの著書を読み、そして社会福祉系の大学を受験するに至った。
 大学では引き続き野球部に所属しながらも、障害者福祉を学び、実習先である障害者施設の利用者様が外泊から満面の笑みで「家はよかった」と話された姿をみて在宅の力の素晴らしさに気づかされた。
 そんなこともあり、大学卒業後在宅復帰をコーディネートできる仕事と思い介護老人保健施設に就職を決めた。しかし実際に支援相談員の仕事をしていく中で、私がやりたかったこととは逆の、在宅で生活できる方を、無理に施設にかき集めてしまっているのではないかという思いが次第に強くなってきた。
 そんな気持ちで仕事を行ってきた平成21年の秋、高校時代の1学年上の野球部の先輩が、プロ野球選手にとっては高齢の26歳という年齢でドラフト指名を受けたということをニュースで耳にした。 
 その先輩は夢を諦めず、努力をしてきたことでついにプロという門を叩くことができたのだ。そのことを知った私は、フィールドは違えど、自分も本当にやりたい仕事を目指すべきではないかと勇気をもらった。そして、純粋に在宅復帰へのコーディネートができる回復期リハビリテーションのMSWになりたいと思い、この病院に入った。
 今年先輩は一軍のマウンドで投げている。私もさらにソーシャルワーク技術を磨き一人のソーシャルワーカーとして北大路病院の一員として発展していければと思う。

社会福祉士 T.R