『想い出のサン・ロレンツォ』 パット・メセニー・グループ
パット・メセニーは、ロックに近いジャズからアヴァン・ギャルドまで、実に幅広い活動を行い、人気・実力No.1のジャズ・ギタリストです。ジャコ・パストリアスやオーネット・コールマンなど多くのミュージシャンと競演し、さまざまなジャンルに挑戦していますが、やはり、彼の魅力が最も引き立つのは、盟友であるキーボーディスト、ラリル・メイズとの競演しているパット・メセニー・グループでのプレイだと思います。その原点といえるのが、78年に発表されたパット・メセニー・グループとしてのファースト・アルバム『想い出のサン・ロレンツォ』 です。
こんなに爽やかなフュージョン・サウンドは他ではなかなか聞くことが出来ません。アルバムタイトルである1曲目の冒頭から、メセニーのギターとメイズのピアノによる透き通るような美しいコードが響きわたり、そこへマーク・イーガンの哀愁漂うフレットレス・ベースの旋律が絡まり、心を洗濯機で洗われたような気持ちになります。さらに曲が進むに従い、ステンドグラスから降りてくるオレンジ色の光のシャワーで包み込まれるような清涼感に満たされていきます。(フィレンツェ にあるサン・ロレンツォ教会へはもちろん行ったことがありません。サン・ロレンツォ教会にステンドグラスがあるのか、それがオレンジ色なのか全く知りません。単なる私の想像です。あしからず。)
そうそう簡単にはイタリアへ行く事は出来ませんが、『想い出のサン・ロレンツォ』 はレンタルでも簡単に手に入ります。是非お聴きいただき、心の旅を堪能していただければと思います。
医療法人一仁会
脳神経リハビリ北大路病院
理事長 岡田 純