2009年7月1日水曜日

回復期リハビリ病棟が本格稼動へ!

北大路病院では、六月から行政の認可をいただき、今回の病院移転の最終目的でもあった「回復期リハビリ病棟」が開設されました。
   
では、「回復期リハビリ病棟」とはどんな病棟なのでしょうか。
医療のしくみの中では、急性期の治療が終了した次の段階、特に機能回復のためのリハビリを集中的に実施する役割を担う病棟と位置づけられていて、
① 国が定める基準による専門のスタッフが定数配置されている。
② 発症・手術から二ヶ月以内の患者様が対象。
③ 疾患別に入院期間が定められている。(脳卒中なら原則一五〇日までの入院等)
などの制度としての取り決めがあります。なるべく短い期間で、在宅への復帰を可能にしていくことを目的として考えられている病棟といえます。
一方当院では、その役割と目指すところは次のような点であると考えています。
急性期の病院に脳卒中や骨折などで入院し、また手術をした後で、「今までと同様に家に帰って家族と一緒に暮らしたい」、そんな思いで頑張ってリハビリを行う患者様に対して、その思いに向き合い、それに応えてあげたいと願う家族の方を支援して、その思いを実現していくために、
① 担当スタッフが共同してその専門性を発揮し、
② 問題点を根気よく克服する努力と工夫をし、
③ 患者様やご家族様の要望を聞き、話し合いながら、
④ その患者様に合った、可能な限り一番良い形での在宅復帰の形を作り出すこと。
このように回復期リハビリ病棟とは、「在宅」という向こう岸へ渡るための大切な橋の役目をするものといえます。

当院は新病院になってから、急性期の医療を行う病院、脳卒中後の患者様を中心に、家庭復帰のためのリハビリを提供する病院をめざしてきました。その意味でいよいよ「脳神経リハビリ」病院として、名実ともに質の高いリハビリを地域に提供していく体制が整ったことになります。さらに、おそらく全国でも唯一と思いますが、診療内科の専門医がいる「リハビリ病院」として、心身両面からのリハビリを実施していくことも、今後の取り組みとして進めていきたいと考えています。