2007年12月25日火曜日

理事長推薦ロック名盤 第5回

第5回 『オペラ座の夜』 クィーン

 アンケートを取ったわけではありませんが、日本で一番人気のある70年代ロックバンドといえば、クィーンであることに異論はないでしょう。デビュー当時から本国イギリスよりも日本での人気が先行し、70年代はまさにアイドル的人気を誇っていました。ヴォーカルのフレディ・マーキュリーが1991年にHIV感染が原因のニューモシスチス肺炎で死亡し、解散した後もCMソングやドラマの主題歌で多くの人に親しまれているのはご存知の通りです。

 私とクィーンの出会いは小学校6年生のときに遡ります。FMラジオから流れてきたそれまで聞いたことのない音楽に私は強い衝撃を受けました。すばらしく延びのあるヴォーカルによるバラードで始まり、突然オペラ調に変化したかと思うと、クライマックスはスピーディーでパワフルなシャッフルリズムで盛り上げていき、最後に再び美しいバラードで締めくくるというそれはドラマティックな曲でした。私は小遣いを貯めて、そのクィーンの代表曲となる「ボヘミアン・ラプソディー」が収められたクィーン4枚目のアルバム『オペラ座の夜』 を買いました。アルバムを通して聞き、さらにぶっ飛びました。フレディーの驚異の音域が織り成すヴォーカルの凄さは言うに及びませんが、ブライアン・メイのギターはまるでオーケストラのように荘厳かつ繊細で、メンバー全員によるコーラスはオペラのように壮大で華麗です。音の一つ一つが複雑に積み重なってゆき、まるで、アルバム全体で巨大で瀟洒な中世の宮殿をイメージさせるようでした。

 私がロックという熱病に感染した瞬間でした。


医療法人一仁会 石野病院
理事長  岡田 純