2006年12月25日月曜日

理事長推薦ロック名盤 第1回

第1回 『フォックストロット』 ジェネシス

 今回から私が独断と偏見で選んだロックの名盤をいくつか紹介します。と言っても、最近のロックはほとんど知りません。私が学生時代に聞いていた70年代ロックが中心です。偏っています。ネタが尽きたらやめます。第1回と書きましたが、今回限りかもしれません。いい加減な連載ですので、適当に読んでください。

 ジェネシスは80年代に活躍したヴォーカルとドラム担当のフィル・コリンズ率いるポップなロック・バンドというイメージでご存知の方も多いと思いますが、もともとは、ピーター・ガブリエルがヴォーカルを担当していたプログレッシブ・ロック・バンドでした。フィル・コリンズを知っている人は多いかもしれませんが、ピーター・ガブリエルを知っている人は少ないと思います。でもなぜか今年のトリノ・オリンピックの開会式で「イマジン」を歌っていたので、ヨーロッパではいまだに根強い人気があるのかもしれませんね。
 プログレッシブ・ロックというのは直訳すると「進歩的ロック」という意味になりますが、クラシックやジャズを取り入れた複雑なコードやリズムを多用したロックで、今で言うオタク系の人たちに人気があり、我々は「プログレ」と略していました。70年代にはジェネシスも代表的なプログレ・バンドのひとつでした。
 『フォックストロット』は73年に発表されたジェネシスの「プログレ」時代の代表アルバムです。ピーター・ガブリエルの妖しげなハスキー・ヴォイスと、ドラムのフィル・コリンズとベースのマイク・ラザフォードが奏でる重量感のある複雑な変拍子と、ギターのスティーブ・ハケットとキーボードのトニー・バンクスが織り成す不思議な旋律が絡み合い、スケールの大きな構築美を形成しています。無人島に1枚だけCDを持って行ってよいと言われたら、私はこの作品を選びます。
 是非一度お聞きください。

医療法人一仁会 石野病院
理事長 岡田 純