2006年12月25日月曜日

懐かしいひとり暮らし

 三十年あまり前、二十一才の私はあこがれのひとり暮らしを始めました。当時女性のひとり暮らしがそんなに多くない時代だったので、ちょっぴり勇気のいる行動でした。

 私の住んでいたアパートは女性専用で私とあまり年齢のかわらない七人が暮らしていました。今の様にバストイレ付のマンションなんてものではなく、家賃一万円だったでしょうか、共同台所に共同トイレ、お風呂も共同でした。
 夕方になると台所の二台しかないコンロはあくのを待つ事もしばしばで、当然おかずの交換なんかも有りです。週三回のお風呂の日には風呂の前の廊下に名前の書いた洗面器が並びます。入った人から順に次の名の人に声をかけるのです。最後の人が同じ棟に住む管理人さんに終了した事を伝えに行きます。

 電話はかかって来たら管理人さんが呼び出してくれました。冬なんかは電話機が外にあったのでとっても寒かったのを覚えています。
 だれかが風邪で寝こめばだれかが食事を作ってあげる。そんな事はあたり前の事でした。土曜の夜は自然にだれかの部屋に集まってゲームやおしゃべりで夜更けまで過ごしました。「遠くの親類より近くの他人」という言葉がありますが、まさにそんな助け合いの生活でした。今の若い人には想像もつかないでしょうね。かえってわずらわしささえ感じるかもしれませんね。

 結婚によって住人の入れかわりもありましたが、私も四年間楽しく過ごす事ができました。自然に連絡も途絶えてしまいましたが、この頃懐かしく当時を思い出す事が多くなりました。最近久しぶりにそのアパートの前を通ると、壊されずにまだありました。リフォームされ外観もかわり○○荘から○○ハイツになっていました。
 今はバス・トイレ付になったのでしょうね、きっと。

看護助手 K・Y