2006年3月31日金曜日

わたくしごと

 私が京都に嫁いで来たのは、雪の降る寒い日でした。県外で育った私にとって京都は憧れの町でした。色々楽しいことを想像し、ワクワクドキドキ思いを寄せていた京都でしたが、実際はそれ以上に大変なことが多かったです。まず困ったことは言葉のイントネーションの違いで、周りの人に「怒っているの?きつく聞こえる。」と注意をされました。三十五年も住んでいるのに、まだ直っていないようです。そして結婚生活の中で最大に苦労した事としては、主人の親との同居・介護でした。
 「家の中に女二人は必要なし」とよく世間で言われているように、私も32歳の時に看護助手の仕事を始めました。姑の風当たりは強かったけれど外に出て仕事をし、その仕事内でもつらい事はありましたが、楽しい行事などもあり、家のストレス、仕事のストレスなどを発散することができました。そのおかげで20年以上続けることができたと思っています。その間、十数年前に両親がなくなり、自分の時間も少しはとれるようになり、子供達も家庭を持ち、孫にも恵まれ、孫の成長を楽しみに忙しい毎日を過ごしています。
 息子の嫁には、私が若い頃に経験したつらいことはなるべくしないように心がけています。しかしながら私も年を取り、姑の気持ちが少しずつわかるようになった気がする今日この頃です。

看護助手 I・Y
2006年 春号